雑記14

カメラ・撮影することについて

 

写真を趣味にするようになって2年半経ったのだけれど、日々カメラについて考えていることを一度まとめようと思い立って文章を書くことにした。楔を打つということだ。

 

フィルムカメラで写真を撮るということは

 

⓪天気予報をチェック

①出かける

②面白いものを見つける

③構図を決める

④フィルムを巻き上げる

⑤露出を確認してシャッタースピードと絞りを決める

⑥ファインダー越しに被写体を見る

⑦レリーズをゆっくりと押し込み、シャッターを切る

光がレンズを通り像を結び、ミラーが跳ねあがりシャッタープレーンが通った瞬間の時間だけフィルムに光が焼き付く

⑨②~⑧をフィルム枚数分だけ繰り返す

⑩カメラ屋に行き現像に出す

現像液によって像がフィルム上に固定される

スキャン処理でデジタルデータ化する

 

というプロセスになる。

①~⑫の中で、太字にした⑧、⑪、⑫は僕の行為ではない。

⑧はカメラが行い、⑪、⑫は専門業者の仕事だ。

まあ、至極当然のことなのだけれど。

 

⑪、⑫はもう完全に僕のできることの範疇を超えているので、お任せするしかない。

(金と時間さえあればいつかは暗室と現像液を用意して自分で現像までやってみたいという気持ちはある。可能ならばフィルムを自作してみたりできないかななんて思ったりもする。)

 

とまあ何が言いたいのかというと、フィルムカメラでの撮影という行為にはどうしたってカメラとカメラ屋さんという他者が介入するということだ。(まあ厳密にいえば他者が介在しない自己完結する行為というものは相当珍しいのだけれど)

 

趣味としてのカメラ撮影というものは、他者(カメラ)との対話だなあと思うのです。

自分がいいなと思った風景や一瞬をカメラはどのように見ているのか、それを確認するのが楽しい。

 

なんというかカメラは道具ではなく、他者だなと思う。自分で絞りやシャッタースピードをいじって、こんな絵にならないかなと思い描いてレリーズを押すのだけれど、決してそれは自分の描いたものではない。描きたいような絵になるわけではない。その断絶が途方もなく面白いのです。ファインダー越しの世界は私のものではなく、カメラの見ている世界だということ、それが僕にとってはとても愉快なのです。私の世界を切り取るのではなく、カメラの見ている世界をのぞかせてもらっているという感覚が一番近い。

 

仕事としての写真撮影はこうはいかないかと思うので、趣味に限った話だと思う。

 

デジタルではなく、フィルムカメラで撮影するということはその面白さを倍増させている。デジタルは背面の画面で、撮ったものをすぐ確認できるので、「私」の求める景色を何度でもチャレンジできる。こだわれるのはいいのだけれど。

 

フィルムカメラはそれができない。一度の行脚で撮れる枚数に限りがあるし、完成品を見られるようになるまでにタイムラグがある。その時間もいとおしいものなのだ。

 

あと、デジタルに比べて機構が想像しやすいのが好きだ。

フィルムを巻き上げて、ばねに力が溜まり、レリーズを押すことでその力が解放され、ミラーが跳ね上がり、シャッターが動く。カメラの筐体内で何が起きてるのか、想像できるので、対話の密度が濃い。

デジタルだとこうもいかない。シャッター音は電子音だし、すべて電気制御だと、何が何だかわからない。それがどうもしっくりこないのだ。そして、デジタルデータだとレタッチも容易にできてしまうのもなんだかな・・・と。

 

 

文章を書くといつも締め方がわからなくなるので、締まりのない文章になってしまうのだけど、結局は僕は自分の思い通りのよい絵を撮りたいというより、カメラという物言わぬ他者と対話しながら、自分がよいなと思った世界を他者の手を借りて一緒見てみるのが楽しいという好事家なのです。

なのでこのブログでも、見た景色をタイトルにはせず、どのカメラがどんな眼鏡(レンズ)で見た世界なのか、をタイトルにしています。

 

自分でも変な人間だなと思うけれども、そんな同じような人間はこの世界には結構いるはずと信じていて、みんなフィルムカメラやればいいのにと思っていたりもする。

面白いですよ。(宣伝)

よい絵を撮る方法、バズる絵の撮り方、なんていうのは知りませんが、カメラがどうやって世界を見ているか、フィルムカメラの簡単な仕組み、は素人ながらちょっっっっとだけ詳しくなれたので、お伝えすることはできるかもしれません。

 

あと10台くらいフィルムカメラ持ってるし、触ってみたいならお貸しするかも……?

大事にしてくれるならね。

少しだけでもフィルムカメラの世界を面白がってくれる人が増えてくれたらな、と思っております。

だって、人口が減ったらフィルム作らなくなってしまうかもしれないのだもの……

富士フイルムさん、kodakさん、お願いします。